近年、地球温暖化の進行により、農業全般にさまざまな影響が現れています。その中でも、日本酒の原料となる酒米においては、収穫量や品質に大きな変化が見られます。稲に高温障害が出ることで米の収穫量が減少するだけでなく、玄米の品質低下により、高品質な白米の量が減少したり、米の溶解性が低下してお酒(アルコール)の生成効率が落ちたりするなどの報告が年々増えています。
このような課題を克服する、地球温暖化に対応した新しい酒米が現れました。
それが「萌えいぶき」という品種です。
「萌えいぶき」は、広島県立総合技術研究所、農業・食品産業技術総合研究機構西日本農業研究センター、広島県酒造協同組合、JA全農ひろしま、広島県穀物改良協会の共同研究により、10年の歳月を経て開発されました。
「萌えいぶき」は、従来の酒米と比較して、以下の特徴を持っています。
-
短稈で倒伏に強い
背丈が短いため風を受けても倒れにくい - 収量が多い
多収で知られる八反錦1号以上の収穫量が得られる - 心白の大きさは中程度
吟醸酒向けの精米も可能となる大きさの心白
※心白とは、米の中心部にある白濁部分のことで、デンプン質の含有量が多く吸水性がよいという性質がある。 - 高温登熟耐性がある
高温下で成熟しても玄米の品質低下が少なく、また、米の溶解性が低下しにくい
4つめの特徴である「高温登熟耐性」が、地球温暖化が米の生育に与える悪影響に対する解決策です。
酒米の品種改良は、日本酒の味わいや品質を支える基盤であり、今後も気候変動に対応する新たな品種の開発が求められます。日本酒の伝統を守りつつ、新しい時代に対応するための取り組みとして、「萌えいぶき」の活躍に期待が高まっています。
YUEN 広島呉では、この「萌えいぶき」を100%使用しています。
ぜひ、日本酒業界の将来を担う次世代のお米をお試し下さい。